EPFD 用語集
地球惑星流体力学研究室に関係のある用語をまとめてみました。
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(すみません7/9現在作成中です 間違ってるかも? by 渡辺)
エアロゾル (aerosol)
大気中に浮遊する微粒子のこと。火山灰や凝結核、PSCsなども含まれる。雲を発生させる素になるほか、太陽放射を散乱させたり、温室効果を持ったり、非均一反応を起こさせたり、気候や化学組成に対して非常に大きな影響を及ぼす重要な物質である。
オゾン (ozone) > オゾンの生成, 破壊, 輸送
酸素原子(O)が3つ結合したもの(O3)。刺激臭のある青みがかった気体。主に成層圏で生成され、オゾン層を形成している。紫外線を吸収して地上の生物を保護するほか、成層圏では紫外線吸収により大気を加熱する効果を持つ。
オゾン層 (ozone layer)
下部成層圏(高度25km付近)にある、オゾンの多い領域のこと。
オゾン全量 (total ozone)
ある場所で、地上から大気の上端まで、大気の柱に含まれている全てのオゾンの量のこと。単位としてはドブソン単位(DU)を用いることが多い。
オゾンホール (ozone hole) z > オゾンホール発生のメカニズム
南半球の春季に、下部成層圏のオゾンが急激に減少し、南極上空のオゾン層に穴があいた状態になること。1980年代後半から顕著になってきた。北半球には現れていなかったが、1997年には南半球から約10年遅れて、北極にも最初のオゾンホールが現れた。
温室効果 (greenhouse effect)
温室効果気体 (greenhouse effect)
強い温室効果をもつ気体。代表的なものに、炭酸ガス(CO2)、水蒸気(H2O)、メタン(CH4)、一酸化二窒素(N2O)がある。特に産業活動の活発化に伴う、炭酸ガスの増加により、地上気温の上昇が懸念されている他、成層圏では寒冷化が起こると言われている。
極成層圏雲 PSCs (Polar Stratospheric Clouds)
極夜の低温に伴って下部成層圏に発生する硝酸や氷でできた雲のこと。
極夜 (polar night)
いわゆる「白夜」の反対で、北極圏や南極圏で、一日中日光が当たらない、つまり一日中夜の状態が数カ月に渡って続くこと。
極夜ジェット (polar-night jet)
極夜の成層圏や中間圏で、極域の低温化に伴って吹く強い西風のこと。周極渦とも言う。これが強いときには、極域の大気は周囲から孤立してしまう。
紫外線 UV (Ultra Violet)
太陽放射の内、可視光線よりも短い波長の電磁波を指す。波長にしておよそ360nm以下。生物にとって有害であるが、成層圏にあるオゾン層により吸収されるため、地上にはごく一部しか届かない。フロンガス放出によるオゾン層の破壊によって、地上に到達する紫外線量の増加が危惧されている。紫外線量が増加すると、白色人種の皮膚ガン発生率の増加や、白内障の増加など人間に対する危険と共に、より紫外線に弱い生物が影響を受ける結果として、生態系の変化なども懸念されている。
成層圏 (stratosphere)
高度8〜18kmにある対流圏界面から、高度約50kmにある成層圏界面までの領域。下から下部成層圏、中部成層圏、上部成層圏と分けて呼ぶことがある。成層圏では気温は高度と共に上昇し、安定な成層をしている。また、様々な大気波動や大気大循環が卓越している。成層圏の気候はオゾンと密接な関係がある。
TOMS (Total Ozone Mapping Spectrometer) > LINK
人工衛星に搭載される測器で、大気に入射した太陽紫外線が大気中のオゾンによって吸収され、後方散乱されたものを分光計を用いて観測することにより、大気中のオゾン全量を得るもの。極夜域の観測はできない。最近ではオゾン以外にも大規模な山火事の煙やエアロゾルの観測にも使われている。
ドブソン単位 DU (Dobson Unit)
ある場所で、地上から大気の上端まで、大気の柱に含まれている全てのオゾンを全部地上に集めたとき(0 C,1気圧)に、その厚み1 mmを100 DU と定義して用いる。オゾン全量は特に緯度によって大きく異なるが、平均すると約 300 DU になる。
フロン CFCs (ChroroFluoroCarbons)
メタン(CH4)の水素(H)のいくつかが塩素(Cl)とフッ素(F)に置換されたもの(ex. CFCl3, CF2Cl2)。地上で人工的に作られた安定な物質で、スプレーガスや冷媒、半導体の洗浄等に使用され、大気中に放出された。後に、成層圏へと輸送され、紫外線により分解されて塩素を遊離し、触媒反応によってオゾン層を破壊することが指摘された。また強い温室効果気体でもある。現在主要先進国では生産・販売は禁じられている。